2020.08.04

職人の目線 べーやんが語るFV10シリーズ

職人の目線 べーやんが語るFV10シリーズ
堺一文字光秀の研ぎ師の一人、べーやんこと渡辺の視点で商品紹介をする「職人の目線」
今回は洋包丁の中で一番の売れ筋で大人気のFV10シリーズをご紹介します。


数ある当社の洋包丁ですが、研ぎ職人からも料理人からも絶賛されるのがこのFV10シリーズです。
「よく切れる」、「長切れする」、「ハンドルが手に馴染みやすく使いやすい」などたくさんの好評をいただいていますが、
今回は研ぎ職人の目線からFV10シリーズの魅力をご紹介します。

 

まずハンドル部分が特徴的で特に口金(ツバ)がとてもオシャレなデザインをしています。
どこかヨーロピアンな雰囲気を思わせるデザインで写真を撮るだけでも映えます。

最近はデザインが凝った包丁も増えてきていますが、一方で実用性を無視したものも多いです。
その中でFV10は実用性をきちんと兼ね備えているところに好感を持てます。
 

 

 

パッと見るだけでFV10だとわかるのはこの口金が特徴的だからだと思います。

通常はステンレスを使いますが、FV10は洋白銀(ニッケルシルバー)を使っており、琥珀色に似た輝きが高級感のある印象を与えてくれます。

ただ口金は溶接ではなくカシメで止めているため汚れが溜まりやすく、細かく掃除したいところです。

 

 

ハンドル部分も通常より少し丸みを持たせており、手の小さい女性の方でも握りやすいと評判です。

手に取った時のフィット感も良く、料理人が長時間使っても疲れにくいハンドルです。
 

 

 

FV10の最大の魅力は刃のクオリティです。

硬さと粘りが高いレベルで両立出来ているかどうかは、良い包丁の外せない条件です。

ただ硬い刃だと研ぎにくく刃こぼれし易いですし、粘りしかない柔らかい刃は簡単に切れ止んでしまい、研いだ時もかえりが取りにくくなります。

この硬さと粘りのバランスが、FV10は絶妙と言って良いでしょう。

 

素材として使用しているV金10号ですが、刃の硬度を決める炭素量を約1%配合しており、ステンレス鋼の中では高いと言えます。

そして研いでいて硬さだけでなく、刃に粘りを感じるのがこのFV10の良いところです。
元々コバルトを配合していて粘りがある鋼材ですが、それより熱処理のレベルの高さがこのクオリティを産んでいると言って良いでしょう。

熱処理は焼き入れから焼き戻しと進んでいきますが、焼き戻しの工程をうまく処理することで粘り強く強靭な刃が出来ます。
実際研いでいてもしっかりと硬さを感じるのですが、これほど硬さがあるのに研削性が高く研ぎにくいと感じることがありません。

 

刃付けですが、非常に精度の高い刃付けがされています。
切れ味や研ぎ方などは人それぞれ考え方が変わってくると思いますが、FV-10は使い手に対応できる形になっているという点で優れていると言えます。

まずは刃先の小刃が綺麗に揃っています。切っ先から刃元に至るまで厚みが均一なので、研ぎムラが出にくい構造になっています。
そして刃の厚みを抑えつつ、その中で曲面をつけるいわゆる「ハマグリ刃」になっているので、いろいろな研ぎ方が出来ます。

刃の肉を研ぎ抜いてピンピンに薄く研ぐことも出来ますし、このハマグリに合わせて刃に丸みを出して刃先を強靭にすることも出来ます。
平面に仕上げた上から小刃付けをした包丁ではなかなかこのようにうまく研ぐことが出来ません。

これだけ硬さと粘りのある刃ですので、個人的には切れ味重視の薄い刃に研いでいただくことをお勧めします。

 

まとめ

良いところばかりを書いてしまいましたが、本当に非の打ち所のない包丁です。
派手な仕上げや高価な鋼材で作った包丁と比べると割高に思えるかも知れませんが、
玄人志向の洗練された包丁を、是非お試し頂きたいと思います。