2022.01.12

ダマスカス鋼の包丁の魅力とは

ダマスカス鋼の包丁の魅力とは
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ダマスカス鋼の包丁がどんどん増えてきています。

今ダマスカス鋼の包丁が大人気です。

もともと人気は有りましたが、価格も高額なためどちらかと言えばマニアックな人向けに売れていていたのですが、低価格なダマスカス鋼の包丁も増えてきたうえ、外国での日本の包丁のブームによって一気に人気が爆発したような感じです。

 

ダマスカス鋼の魅力

人気の要因は何といってもこの見た目のカッコよさです。

なんと言っても刃先から刃元へ流れるような波紋の模様ははっきり言ってめちゃくちゃかっこいいです。

なによりこの手作り感のあるデザインは見るからに切れそうな雰囲気があります。

もちろん切れ味などの本質的なところは大事で研ぎ職人としてはここは譲れないものが有りますが、ただ道具に愛着を持つという意味では見た目という要素はすごく大事なことだと思います。

 

そもそもダマスカス鋼ってなに?


ダマスカス鋼(ダマスカスこう、英: Damascus steel)とは、木目状の模様を特徴とする鋼であり、古代インドで開発されたるつぼ鋼であるウーツ鋼の別称である。
 

ダマスカス鋼の名は、シリアのダマスカスで製造されていた刀剣などの製品にウーツ鋼が用いられていたことに由来する。
現在は異種の金属を積層鍛造して模様を浮かび上がらせた鋼材もダマスカス鋼と呼ばれているが、本来のダマスカス鋼の模様はるつぼによる製鋼における内部結晶作用に起因するものである。
 

引用:wikipedia

この通り本来のダマスカス鋼は昔に失われている技術で、ただ見た目が似ているからそう呼ばれているだけなのです。

他にも堺では「墨流し」「うずしお」、関では「積層」とか、最近テレビでは「ミルフィーユ」なんて呼ばれることも有ります。

もともと刃物と波紋のかかわりが深く、日本刀の「刃文」、和包丁の「霞研ぎ」、本焼き「波紋浮かし」など昔から良い刃物には必ず美しい波紋模様が有りました。

 

ダマスカス鋼のメリット

見た目がいい

ダマスカス鋼の包丁の特徴で最も大きい(唯一と言ってもいい)このデザイン性の高さです。

いま日本の包丁が世界中で人気ですが、これは和食人気とこのダマスカス鋼の包丁の人気の為と言ってもいいです。

この波紋模様が美しいと感じるのは世界共通の感性なんですね。

家庭用プロ用問わずこれから何十年にも一緒になる相棒みたいなものですので、道具に愛着を持つといった意味ではこの見た目の要素が大事だと思います。

 

 

ダマスカス鋼のデメリット

刃の持続性が劣る

ダマスカス鋼は外側の層が積層の重ねた生地になっていますが、基本的な包丁の造る構造は割込みや三枚打の包丁と同じです。

割込みの包丁は約2mm弱の厚みの中に三枚合わせで材料を挟み込みますので、中心の材料は思いのほか薄く研ぎ上げた時にしっかりとした硬度を保てないことが多いです。

ダマスカス鋼の芯材にはv金10号が良く使用されていますが、v金10号の全鋼で造られている人気のFV10シリーズの包丁と比べると刃の持続性が大きく劣ります。

 

波紋模様を維持するのが難しい

ダマスカス鋼は製造段階では波紋模様を目立たせるために、ブラスト加工や腐食加工などで特殊処理するのではっきりと模様が浮かばさせることが出来ます。

ですが、使っていく内にだんだんと模様はくすんでくる上に、砥石で研ぐと綺麗に波紋模様を出すことが難しいです。

砥石で上手く研げる人はそれなりに模様を浮かばせますが、新品の時のような模様はなかなか出せない場合が多いです。

 

高価格な包丁になってします。

ダマスカスは何層にも重ねた積層の生地ですので、製造による手間が多く、材料そのものが高くなりますし、火造りから作るとなると余計に手間がかかります。

また上にも書いています通り、基本は割込みの包丁になる為中心の芯材は良い材料を使わないと刃は付きません。

そのためどうしても完成品の価格は高価格帯の包丁になりますのでコストパフォーマンスはそれほど高くはありません。

 

まとめ

メリットとデメリットを色々と出してみましたけど、やはりこのカッコよさは唯一無二のものなのかもしれませんね。

見た目はどんなものにも勝る魅力があるって考えも結構嫌いじゃないです。

それに職人がどんどんクオリティーを上げて行ってくれているので研いでいてもいいなと感じる包丁が増えてきましたし、波紋模様の浮かし方の方法も増えてきました。

プレゼントなどの贈り物でも人気が高く、これからどんどん魅力的なダマスカスの包丁が出てくると思いますよ。