食材にこだわる飲食店が増えた今、料理人が行き着くのが包丁へのこだわり。 包丁の切れ味にこだわるお店は例外なく美味しい。
「味でつなぐ 料理人探訪」は、グルメサイトのレーティングでは伝えきれない、本当に美味しい店を紹介するシリーズ。
包丁から見えてくる技術、哲学、そして食へのまなざし。 料理人の内面に踏み込み、本質を探る。
第15回目は、西天満にある串揚げをワインやシャンパンと共に楽しめる名店「キュイジーヌ・ド・オオサカ・リョウ」。ソムリエの資格を有する店主の畑島 亮氏にお話を伺った。
食材にこだわる飲食店が増えた今、料理人が行き着くのが包丁へのこだわり。 包丁の切れ味にこだわるお店は例外なく美味しい。
「味でつなぐ 料理人探訪」は、グルメサイトのレーティングでは伝えきれない、本当に美味しい店を紹介するシリーズ。
包丁から見えてくる技術、哲学、そして食へのまなざし。 料理人の内面に踏み込み、本質を探る。
第15回目は、西天満にある串揚げをワインやシャンパンと共に楽しめる名店「キュイジーヌ・ド・オオサカ・リョウ」。ソムリエの資格を有する店主の畑島 亮氏にお話を伺った。
子供の頃から美味しいものを食べることや、家族で食事に出かけることが好きでした。
両親の影響が大きいのかもしれません。書家である母は、書道より料理の方が好きだと言うくらいで、そんな母が料理するのをよく手伝ったりしていましたね。
高校で進路を考える時期に「辻調理師専門学校」の存在を知り、その門を叩きました。
どの分野を専門にするか迷っていたところ、相談した先輩から「日本料理の基礎を根底から学ぶべき」というアドバイスをいただき、日本料理の道へ進むことを決めました。
卒業後はミナミの料亭に勤めました。もともと負けず嫌いな性格ですし、同期の子もすごく気が強かったので切磋琢磨しながら、がむしゃらにやっていましたね。先輩からも随分可愛がっていただきましたよ(笑)「負けるか!」といつも心の中で思っていました。
その後も店を移り修行を続けるなかで、和食だけではなく、和洋中さまざまなジャンルの料理人仲間とも交流するようになりました。スパイスの使い方や火の入れ方など、他のジャンルから学ぶことも多かったです。
僕が参加している大阪料理会※①では、料理人たちが集い、大阪の食材や調理法について学び合い、腕を磨いています。
会には大阪の名店の料理長が多くいらっしゃるので、「こんな考え方があるんだ」「こんなに効率良く美味しく出来るのか」と毎回、たくさんの学びがあるんです。
僕の場合は、ワインやシャンパンに合うようにオイルやビネガーを使った和食を提案したり、先輩方に「なにこの料理!?」と言われるようなものを発信できる存在でありたいと思っています。
料理人としてキャリアを積んできた今、改めて料理が楽しいと思えるようになってきました。
今後、大阪の食がもっと盛り上がると良いなと思いますし、僕が教わったことを後進にも伝えていきたいですね。
※①大阪料理会:大阪の食材や調理法について、料理人同士が学び、研鑽を深める日本料理の勉強会。 地域を代表する割烹店や料亭が集い、毎月発表や試食を通じて意見交換を行っている。
修業した料亭の包丁は、すべて堺一文字光秀の包丁でした。それがきっかけで、僕も一文字さんの包丁を使い始めました。
骨切り、柳刃、牛刀と、一通り揃えています。
柳刃はお店で一目惚れした「煌 白一鋼 赤呂柄 柳刃包丁」ですね。
手に馴染む感覚はもちろん、なにより切れ味の良さを気に入っています。
一文字さんの包丁を使い始めて、もう30年になりますね。今でも道具屋筋に行く用事があれば必ずお店に立ち寄りますよ。
今、僕が目指しているのは、ふわっとさくっとした食感の串揚げです。
揚げる油はラードとヘッド(牛脂)に菜種油をブレンドし、香味野菜でほんのり香りを付けています。
生地は強力粉に卵黄やビール、牛乳を配合し、最後に別で立てた卵白を加えて軽い食感に仕立てます。でもこれもまた変えるかもしれません。
日々勉強するなかで、「今年はこうしてみよう」「こうしたほうがお酒にあうんじゃないか」など意見を出し合って、少しずつ変化していきます。
お客様からは、ソテーしたポルチーニ茸で鱧を包んだ串揚げが特に好評で、シャンパンにも白ワインにもよく合いますね。
串揚げとシャンパンの相性は、逆に合わない要素がほとんどないくらい抜群です。
お酒の世界にも興味を持ったので、ソムリエの資格を取得しました。料理に美味しいお酒があることによって食事の楽しさは倍増するんです。
シャンパンには白ブドウだけで作ったシャルドネや、黒ブドウを使ったコクのあるタイプなど、さまざまな種類があります。
ソムリエの役割は、単にシャンパンとワインをお出しすることだけではなく、お客様の好みや料理に合わせてお飲み物を提案することなので、場合によっては日本酒やカクテルなんかもおすすめしますよ。
日本酒に熱燗や冷やなど色々な飲み方があるように、シャンパンも自由に楽しく飲んでいただけると嬉しいですね。
「楽しい」が僕の人生のテーマです。その気持ちを、これからもたくさんのお客様に提供していけたらと思います。
Cuisine d'Osaka Ryo
https://cuisine-d-osaka-ryo.com/#home
住所
大阪市北区西天満4‐2‐7
電話番号
06-6364-1194
営業時間
ランチ11:30~14:30
ディナー17:30~23:00
定休日
月曜日
「味でつなぐ - 料理人探訪Vol.15 キュイジーヌ・ド・オオサカ・リョウ」の動画ではこだわりの串揚げの調理風景もたっぷり収録!ぜひご視聴ください。