【包丁日和】Vol.4 使うほど好きになる銅おろし金-手仕事の道具と暮らす台所-

包丁日和

「今日は何をつくろう」とわくわくする日もあれば、正直ちょっと気が重い日もあります。
そんな日々のごはん作りに、いつもそっと寄り添ってくれるのが包丁です。

このコラム〈包丁日和〉では、家でごはん担当の堺一文字光秀スタッフ・マホが、包丁と調理小物の選び方や使い方、気負わず続けられるお手入れのコツをお届けします。

毎日の料理が、少しでも心地よい時間になりますように。
どうぞ、ゆるりとお読みください。


わが家の頼れるおろし金

みなさまにはこれだけは手放せない!といった愛用の調理道具はありますか?
絶対手放せないもの。
私にとってのそれは「銅のおろし金」です。

 

生姜やニンニクなどの薬味が好きな私。チューブ入りの薬味は便利だけど、やっぱりすりおろしたものは香りが別格。
頻繁に使うものだからこそ、職人の手仕事で作られた銅のおろし金を選びました。
台所のすぐ手が届く場所に吊るして、毎日のように使うこと早10年。

 人参やりんごをすりおろして作った子供の離乳食。
たっぷりの生姜をすりおろして作る我が家の特製カレー。
鈍く光るようになったこのおろし金は、思い出が詰まった特別なものになりました。


おろし心地ってどう違う?

「おろし金」といっても、種類はさまざま。
受け皿がついたプラスチック製のもの、軽さが魅力のアルミ製のもの、木製の鬼おろしなど、素材や形によって使い心地が変わります。

今回はプラスチック製のおろし金と、銅のおろし金でおろし心地がどう違うか、試してみました。

プラスチック製のおろし金は、大根をおろすときに少し力が必要で、途中で大根が引っかかるような感覚がありました。一方、銅おろし金は、大根に刃がすっと入っていくような感覚で、力を入れなくてもスムーズにおろすことができます。

実際に食べ比べてみると、おろし心地の違いは、仕上がりにも表れているように感じます。

プラスチック製のおろし金では、繊維がやや粗く残り、辛味を感じる大根おろしに。
銅おろし金では、きめ細かくなめらかな仕上がりで、やさしい甘味のある仕上がりになりました。


手仕事の魅力とお手入れ

堺一文字光秀で取り扱う「銅おろし金」は、熟練の職人が手打ちで仕上げる、完全手作りのものです。

切り抜いて形作った銅板に錫を引き、たがねで一つひとつ目を掘り起こして仕上げた刃は、不規則でとても鋭利。機械できれいに揃えられた刃とは違い、さまざまな角度から食材をとらえるため、繊維をつぶしすぎず、みずみずしく仕上げることができます。

鋭い刃が食材をしっかりとらえてくれるので、軽い力でもおろしやすく、心地よいおろし心地を楽しめます。


そして、銅おろし金を長く気持ちよく使うためには、使ったあとのお手入れも大切。

使い終わったら、まず水で食材の残りを洗い流します。
刃の間に繊維が残っているときは、やわらかめのたわしを使って、刃に沿うようにやさしく取り除きます。よくすすいだら、水分をしっかり拭き取り、風通しのよい場所で乾かしましょう。

「使ったら、洗って、乾かす」。

このシンプルなお手入れを続けることで、銅おろし金を気持ちよく、長く使っていくことができます。


道具が刻む暮らしの記憶

私の持っている10年選手の銅のおろし金は8cm×8cmの小ぶりなサイズで、片面だけに目が立っています。生姜やにんにくをすりおろすときはもちろん、意外と便利なのが少し大きめの人参やりんごをすりおろすとき。
小さなサイズだからこそ力を入れやすく、使いやすさ抜群です。

大根おろしや長芋には、これまで受け皿付きのプラスチック製のおろし金を使っていましたが、やはりきめの荒さが気になる…。ということで、昨年ついに大きめの銅のおろし金を買い足しました。

おろす面のサイズは10cm×13cmほど。
(商品サイズは#6)
今ではこちらも大のお気に入り。


どちらも大切に使いながら、それぞれが少しずつ表情を変えていくのが楽しみです。
ひとつの道具を長く使うということは、暮らしの記憶を積み重ねていくということ。
今日もまた、このおろし金が新しい思い出を刻んでくれています。

そんな道具と一緒に、日々の料理を楽しんでみませんか。

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