包丁を使い続けていく内に、包丁を誤って欠けさせてしまったり、研いでいるうちに刃の形が崩れてしまう事があるかと思います。
こうなってしまいまうと刃を削り取って成型しなおさないといけませんので、研いで直すのが非常に大変で、通常研ぎの倍の時間がかかりますし包丁の寿命を縮めてしまいますので当社としては出来るだけこうならない様に気を付けていただきたいです。
ですがこうなってしまった場合の研ぎ方をご説明します。

刃を成型し直す。

まずは元の包丁の形に直します。
刃こぼれの場合は欠けている部分の一番深い箇所を基準にそこまで刃全体を削りとっていきます。
型直しも同じ感覚で、一番凹んでいる個所を基準に刃全体を削りとっていきます。
荒砥石で刃を45度に立てて刃全体を削ります。
欠けが完全に消えるまで研いでください。
この段階できちんと刃の形を直しておく必要があります。

荒砥石で刃の厚みを研ぎ抜く

[1]で成型し直した刃は、とても厚い二段刃になっています。
このまま刃を付けても鋭い切れ味が出ません。
この厚い刃を荒砥石で刃全体が薄くなるまで研ぎ抜きます。
二段刃の厚さの状態にもよりますが、かなり刃を寝かし気味に研がないと刃は薄くなりませんので、研ぎ幅を20mmくらい広めに研いでください。
この研ぎ幅で二段刃が消えるまで研ぎます。
研ぎにおいてこの研ぎ抜きが一番大変な作業になります。
場合によってはかなりの長時間の研ぎになりますが、根気よく研いでください。
この段階でハマグリ刃を意識してしまいますと、丸刃になりますので刃を平面に研ぐ意識のほうが刃を薄く出来ます。
ここからは各包丁の研ぎ方の「中砥石で刃を付けていきます」からはじめて研いでください。