包丁研ぎ直し・柄交換

お使いいただいている包丁を研ぎ直しさせていただきます。
刃が欠けた包丁・錆びた包丁・柄が壊れた包丁など難しい修理でも受付しております。
詳しくはこちらのページをご確認ください。

購入時の注意

買った包丁が欠けてしまったということをよくお聞きしますが、それには理由があります。
包丁は鋼を鍛造し、荒研ぎして形を整え焼き入れをして造ります。最後までお使いいだけるよう内部までしっかり焼き入れをするために表面は必要以上の硬度が入ってしまい新しい間は欠け易くなってしまいます。
逆に表面に合わすと研いで包丁が減った時、内部焼き入れの甘い部分が刃となる為(軟らかい)使い物になりません。
2〜3度研がれるまで無理しないでお使いください。何度も研いでいただくとだんだん使いやすく、また永くお使いいただけます。

錆には注意を

包丁の、お手入れの上で一番大切な事は錆びさせない事です。
錆びた状態で放置すると鋼を腐食させどれだけ研ぎ直しても浸透した錆が現れ、常に刃こぼれした状態になります。

普段のお手入れとしてはまず、綺麗に洗い 水気をとる事が大切です。
中性洗剤で洗い、乾いた布でしっかりと水気を拭き取ります。お湯で洗うのもいい方法です。包丁が温まりより早く水分が蒸発します。錆びが出てしまったら、素早く取り除く事が大切です。
錆が発生してすぐであれば、スポンジの裏に付いている研磨剤入不織布面で磨くと取れますし、汚れも取れ綺麗になります。

新しいはがねの包丁は特に赤錆が出やすいので、まめに磨くようにしましょう。次第に錆びにくくなります。その際、刃先に触れないよう注意して下さい。怪我の原因にもなりますし、包丁の切れ味も失ってしまいます。

ステンレスの錆には要注意

ステンレス鋼の包丁は錆びないと思われてる方も多いですが、やはりステンレスでも手入れを怠ると錆びてきます。
ステンレスの錆びは非常に厄介で、鋼のように表面には広がらずに中に浸透していき小さな穴が空いた状態(孔食)になります。
この錆びが研いだ包丁の刃先に出てしまいますと、綺麗に研いでも刃こぼれした状態になります。

包丁の錆の取り方

当社で販売している錆取りクリーナーの「ミラクルクリーン」のご利用をお勧めします。
ミラクルクリーンは研磨剤の入った消しゴムのようなものです。これで錆びた箇所を磨いてもらいますと大きな錆でも綺麗に取ることが出来ます。
ミラクルクリーンで取れる錆は表面の錆だけです。
刃の中にまで浸透した錆はミラクルクリーンを使用しても取り除けないのでそうなる前に錆を取ってください。
綺麗に磨くコツとしましては、包丁には研磨した跡(和包丁では斜めに、洋包丁で横にが多いです)に沿って磨いていけば綺麗に磨けます。

柄のお手入れ

柄には、大きく2種類有ります。
和包丁等に使う中子を差し込むタイプの柄と、洋包丁等に使う2枚の板で中子を挟んでかしめ(ビスで止めた)るタイプの柄があります。

和包丁等に使われている柄は、交換が出来ます。割れたら早めに交換して下さい。そのままにして置くと、中に水が入り中子が錆びて割れが広がってきます。中子の錆がひどくなると中子が折れてしまい、交換が出来なる事も有ります。

特に鋼の洋包丁は柄の中子の部分が錆びます。刃の部分だけを拭いて柄を濡れたままにする方がいますが、それはよくありません。
中子が錆びにより膨れ上がり板と中子に隙間が出来きカシメが外れ柄から壊れてしまいます。
柄と中子に隙間が出来た包丁は不衛生です。
常に、水気を取る事を心がけて下さい。

保存方法

  1. 包丁についている汚れを中性洗剤できれいに洗い落としてください。
  2. 水分をふき取ってしばらく自然乾燥させてください。
  3. 長期で使用されない時は専用の刃物油で薄く塗り乾いた新聞紙で包んで、湿気の少ない所で保管してください。
    注:サラダ油などを塗り長期間保存しますと成分が変化して次に使う時に洗って もべたべたが落ちなくなります。必ず、刃物油をお使いください。

包丁研ぎはこまめにしてください。

包丁はどれ位で研ぐと良いのかと聞かれますが、研ぎはまめにされる事をお勧めします。
切れないと感じてからでは、実際は傷みがきつく、研ぎあげるまで大変です。まめに研ぐと傷みも少ないので楽に研ぎ上がりますし、いつでも同じ状態で使えます。
砥石に触れていると、研ぎの上達にもつながると思います。
研ぎ方に基本は有りますが、型にはまる必要はありません。
切れ味を追求し、薄く(鋭角)研げばよく切れますが、欠け易くなってしまいます。逆に、厚く(鈍角)研げば、欠けにくくなりますが、切れ味は落ちてしまいます。
まずは、しっかりと基本を覚え、理解の上で、使い方に合った包丁に仕上がるように研ぎ方・角度を合わせて研いでいかれると良いと思います。

砥石について

砥石には荒砥石、中砥石、仕上げ砥石の三種類があります。
これは粒子の細かさにより砥石の粗さが変わってきます。

荒砥石 中砥石 仕上げ砥石
#200前後 #1000前後 #2000~#10000
粒度が粗く、研磨力が大きいので、刃が欠けた場合や刃の形状を直すときに使用します。。 荒砥で研いだ時に出来るキズを取り除き、刃先を細かく滑らかに整えます。この砥石で9割方研げています。家庭用ですと中砥石まで研げば十分です。 荒砥や中砥石で出来たわずかなキズを取り除き、刃先をさらに鋭くします。切れ味を持続させる効果もあります。

上記のように三種類の砥石には決まった用途があり、三種類すべてを揃えてもらうことをお勧めします。
特に切れ味が求められる和包丁には必ず揃えてたほうがよろしいかと思います。
家庭用として研がれるようでしたら荒砥石と中砥石でも大丈夫です。

荒砥石は重要です。

荒砥石は刃こぼれや型直しの時に使用する砥石ですが、包丁研ぎにおいて中砥石と同じく必要な砥石だと当社は考えております。
包丁は焼き入れをしており、非常に硬い金属ですので中砥石や仕上げ砥石だけで刃を研いでいくには研磨力が足りません。
特に長くご利用になられた包丁は刃先が丸まっており、荒砥石で刃全体を肉抜きしないと刃先がどんどん厚くなっていき切れ味が悪くなります。
その他にも切れ刃のムラを整えたりと幅広い用途で使用出来ますので、当社はプロ用、家庭用に関わらず荒砥石を持っていただく事をお勧めします。

包丁を研ぐ前に

包丁を研ぐためにはまず安定した研ぎ場を作る必要があります。
研ぎは力作業ですので、グラグラした不安定な研ぎ場ですと怪我にも繋がりますので、必ず安定した場所で研いでください。
また研ぎには大量の水が必要ですので、キッチンや、桶に水を溜めて研がれるもの良いと思います。
研ぎをすると砥石より研ぎ汁がでますので、エプロンなどを用意して服が汚れないようにしてください。

包丁を研ぐ姿勢

包丁は常に刃を手前になる様に持ち、砥石に対して45度 斜めに置きます。
力は押す時に入れて包丁を前後に動かします。引くときには力を入れないでください。
包丁の持ち方は表(右面)を研ぐ時、右手人差し指から小指まで4本の指で柄を握り親指で刃元を押える様に持ちます。
左手は包丁の刃先を押える様にします(指を押さえた下が1番よく研げます)
裏(左面)を研ぐときは左手に柄を持ち替えて研いでください。

どこまで研げばいいか

包丁研ぎの質問で最も多いのが「どれだけ研いだら切れるか」と言う質問です。
結論から言いますと「刃先に砥石が当たるまで」です。刃先まで研がなければ何回研いでも切れないままです。
刃先まで研げているのを確認する目安は「かえり」を確認することです。
研ぎ進めて行くと研いでいる反対面の刃先にざらつきが出てきます。これを「かえり」といい刃先まで研ぎきった金属が反対側にめくれてきます。
これが出てくると刃先まで砥石があたっている状態です。
これに加えて当社の研ぎ師は、刃先の砥石の当たり具合を光の加減で見極めて研いでいきます。

切っ先と刃元の研ぎ方

砥石は表面が平です。
一方包丁はほとんどがアールのついた形状をしており、真っすぐ研ぎ進めて行きますと直刃の刃になってしまいます。
そのため切っ先と刃元の形が崩れてしまい包丁の正しい形を失ってしまいます。
ですので、切っ先と刃元を研ぐときは柄を上下に上げ下げして切れ刃が均一に当たるようにします。

ハマグリ刃のすすめ

ハマグリ刃とは刃先が微妙にカーブ状になって、ちょうど蛤の表面のようなふくらみを持つ状態です。
包丁は切れ刃をベタ研ぎするより、ハマグリ刃に研いだほうが強度のある刃先になり切れ味と刃の耐久性を両立出来る包丁に仕上がります。
包丁の種類、用途によってハマグリ刃の大きさが変わりますので、各研ぎ方のページを参考にしてください。

小刃のすすめ

これよりご説明する研ぎ方はプロ用の上級者向けの研ぎ方になります。
薄く研ぎ上げた包丁は、切れ味が鋭くなる反面、刃が欠けやすくなります。
研ぎの刃先を小さな二段刃にする小刃(糸刃)引きをすることをお勧めします。
※刃先が厚い包丁に対して小刃(糸刃)引きをすると、切れ味を落とします。

研ぎ方

包丁には片刃、両刃があり、刃の厚い包丁薄い包丁など様々な形の包丁がございます。
さらに食材の違いなどで切り方も多種多様です。
それぞれに合った包丁の研ぎ方がございますので、ひとつひとつご説明いたします。

和包丁(片刃)の研ぎ

和包丁はほとんどが片刃に作られている包丁で、表の切れ刃を研いで刃を付けます。
和包丁を研ぐ上で一番気を付けていただきたいのが、裏面を研ぎ過ぎないと言うことです。
和包丁の裏面は裏スキといい、裏面全体が凹んでいる状態で造られます。
裏スキにより刃が薄くなり切れ味が鋭くなる、裏面が凹んでいるため食材の切れ離れが良くなる、裏研ぎ(裏押し)をするときに刃先を均一に当てれるなどさまざまな理由で造らています。
この裏面を研ぎすぎてしまいますと、切れ味が悪くなり、鋼も薄くなりますので包丁の寿命が短くなります。
鋼で食材を切っているので、ここがなくなりますと修復自体困難になりますので裏は軽く研ぐだけにとどめてください。

洋包丁(両刃)の研ぎ

洋包丁はほとんどが両刃の包丁ですが、正確には左右対照に研がれているわけでは有りません。
右面は丸みがきつく、左面は平らに近い丸みに作られています。(※左利用は逆)
これに合わせて右面を7割程度、左面を3割程度に研いで行きます。
和包丁に比べ、よりはまぐり刃に作られています。